うちは基本的に一人でのんびりやっている会社ですが、お客さんから相談されることは多岐にわたっています。
- 主な業務であるウェブデザイン
- そのために必要なプランニング
- そこから派生するグラフィックデザイン
- イベントや展示会のプランニング、デザイン
- そこで使う映像やゲームの制作
- 社内のITインフラを取りまとめるコンサルティング
- ECサイトの売上を伸ばすためのコンサルティング
- ソーシャルメディアの運用についての講師
- サーバーの保守管理
- ウェブアプリのプランニング
- 企業やお店のブランディング
- ウェブ制作におけるセカンドオピニオン
などなど、やってる業務はきりがありません。
当然、これらすべてを一人で賄うことはできませんので、たくさんのクリエイターさんにご協力いただいております。
なぜこうなってしまったのか
まず、専門学校へ行く前はフリーターで、雑貨屋さんのアルバイトをしていました。
始めの頃はお店の品出しと整理、レジ担当ぐらいでしたが、半年程で商品の発注業務を任されるようになり、その後売り場が変わってもG-Shockなどの担当をさせてもらい、お店全体のディスプレイにも口出しさせてもらえるようになりました。
ここでの経験と、当時の部長さんからの一言でデザインの専門学校へ行くことになり、その後の人生が大きく変わり始めます。
学生時代はディスプレイデザインを専攻し、学校では企画を考え、3Dのソフトでパースを作り、CADで図面を引いてIllustratorなどで企画書にまとめていました。
ただ趣味でホームページを作ったり、映像やゲームを作って遊んでいたので、それがそのまま就職後も生かされて継続していました。
もともと自分がやる業務以外のことにも興味を持っていたのでやらせてもらってるうちに出来るようになった、という感じですね。
当時はマルティメディアという言葉が流行りだし、インターネット創世記という感じで、一番楽しかった頃かもしれませんね。
ただどの仕事をしている時でも考えていたのは、どうすればお客さんがもっと興味を持ってみてくれるのか、そして買ってくれるのか。
人が自分の考えに共感してくれる、というのが楽しくて気持ちよかったんだと思いますね。
雑貨屋さんで経験したお客さん目線というのが、展示会での企画やデザインに活かされ、それは今のホームページやECサイトに通じているのではと思います。
実際プロモーションの基本になっているのは当時の雑貨屋さんで学んだことがベースになっていますからね。
お客さんに求められること
分業制が進んでいく中で自分自身もデザインだけ、コーディングだけといった仕事も増えましたが、やはり気になることが多く、不満も多かったように思います。
実際今でもお客さんと話している中で「どこに何を発注すればいいのかわからない」「発注したはいいけど、情報のやりとりが難しすぎてわからない」と言った言葉を聞くようになり、それに対する解決策を提案していく中で「そこまで考えてくれるんやったら、そっちでやってよ。その方がうちも楽やわ。」ということが増えました。
結局社内の担当者の数は増えないのに、やることばかりが増えて、その内容に合わせて発注先を変えて上がってくる情報を確認して、またそれを別のところに渡して・・・ということの繰り返しが大変だということなんですね。
うちの場合はたまたま学生時代からの友人がイベントや展示会の会社にいて相談が気軽にできること、まわりにグラフィックでも写真でもライティングでも経験豊富なクリエイターさんが多いので何かと相談しやすい環境、広く浅くいろんな知識をかじったおかげで、お客さんの悩みを理解しやすかったことがたまたまお客さんに求められていることにつながったという感じです。
ほんと、自分よりよくできる仲間が沢山いて、より高度な専門知識やアイデアを惜しげも無く伝えてもらえるのは感謝以外に言葉が無いですね。
こちらの記事にも掲載されていますが、
- 自分よりも賢い人を周りにおくこと
- 大切な友人たちを大切にし続け、育むこと
はほんとうに重要だと思います。
お客さんにとって何が必要なのか、そして自分はどうしたいのか
人は霞を食って生きていけるわけではないので、当然お金を稼ぐ必要があります。
先の記事の中に
そこでは「他社」でなく「自分自身」を顧客にして製品をつくろうと思いました。これがEvernoteです。ぜひみなさんも、自分自身のために何かを作り出したり、取り組んだりしてみてください。自分のために作っているので、「良いものは良い」と判断ができるはずです。自分自身のためにつくり、それに共感してくれる人が現れたら、みんなが使ってくれるようになりますよ。
というのがあります。あくまでお客さんの会社やお店の利益を考えなくてはいけないので、何が何でも自分というわけではないのですが、それでもお客さんの夢を通して自分の実現してみたい未来を考えてみる、ということは重要だと思います。
それをお客さんにプレゼンテーションし、共感を得られることで仕事が始まるわけですから。
お客さんのやりたいことと、自分が実現できることを照らしあわせ、最大限の可能性を追求していく。
それがデザインという仕事だと思います。
なので、先にあげたようにたくさんの業務を請け負うことになっていくんですけどね。
- もっと仕事の効率化を考えて、スタッフの残業を減らしたい
- ネットショップに来てくれるお客さんにもっと自社の商品の魅力を伝えたい
- イベントや展示会でもっといい展示ブースを作ってみたい
などなど、様々な課題や悩みを相談されます。
最後に
デザインという仕事を狭義にとらえると、表層だけのデザイン(意匠)ということになりますが、広義にとらえると社会の問題を解決するという考えになるんですね。
僕自身は以前お世話になったデザイナーさんに「デザインに興味が無い」と言い放ったことがありますが、この「表層だけのデザイン」ということを伝えきれなかったため、そこの仕事はなくなりました。
今ならもっとうまく説明できたと思うんですけど、仕方がないですね。
これからも多くのお客さんにとって便利なデザイン事務所であり続けたいと考えています。