なぜうちのネットショップは売れないのか?売れない原因としっかり向き合う。

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0i9a114915030133prezen_tp_vいきなりなタイトルですが、実はよく相談される内容だったりします。

うちの会社はホームページ制作を中心と「していた」会社で、現在は制作業務もありますが、実のとことネットショップ関連のコンサルティングや統括的なディレクション、SEO的なお仕事の方が増えております。
そこでタイトルのような話、そのものズバリではありませんが、要約するとそんな感じです。

年間で数億売っているようなお店も、年間で数十万円のお店も見させて頂いて、いろいろ改善ポイトなどをサジェストさせてもらったんですが、その結果ある程度売れるようになるお店の傾向というか考え方があるのかなぁ、と思ったので少しまとめてみたいと思います。

あくまで主観に基づいたものなので、絶対そうだとはいえませんが、ご参考までに。

相談してくるお店は2つのタイプ

まずざっくりとした入り口で、2つに分けることができます。

  1. 本当に売れない理由がわかっていない
  2. わかってはいるんだけど、具体策や相談できるところがなかった

当たり前といえば当たり前なんですが、本当に最初の入口はこんな感じなんですよ。
むしろ売れているお店は「どうすればもっとお客さんと近づくことができるか」といったようなもっと上の次元で悩んでいます。

本当に売れない理由がわかっていないお店

そんな店あるのか?といわれそうですが、あるんだから仕方ありません。
なので、まずはお店の内容やシステム、運用についてヒアリングし、その後お店のコンセプトやブランディングなどについて、現在のオーナーの考えを確認します。

ここで問題になるのが、個人店の場合は話す相手はほぼ担当者=オーナー=社長なのでまだ話は進めやすい、企業の一部署として運用される場合はそううまくいきません。
まず担当者はサラリーマンであって、自身の店ではなく、またコンセプトなども社長やコンサル会社、外部の会社が決めたりと、自分自身の意見が反映されていないことなどもあります。
また定期的に移動などがあるため、ある日突然畑違いなところからネットショップ担当にされるなどで、引き継ぎも満足にできていないことがあります。

なので、社長にヒアリングするも現場から離れたところで、細かいところは担当者任せといったことが多く、その割に担当者は権限を持っていない。
結局やりたいことややるべきことがあっても車内の根回しだけで大変になってしまい、商品として発売する頃にはタイミングを逸してしまうことも多々あります。
また、誰に、何を、なぜ売るのかといったところも曖昧で、あるから売る、いわれたから売る、と言った状態が非常に多く感じられます。

こういったところはかなり手間がかかり、時間もかかりますが、まずは立ち上げ当初に関わっていた担当者や外部のブレーン(コンサル会社やデザイン事務所)なども交えて、打ち合わせしたり、個別にヒアリングすることがあります。
もちろん、できないこともありますので、そういった場合は現在の担当者の方にヒアリングシートをまとめて、それをもとに聴きとり調査をしてもらいます。

そして、本来のコンセプトやポジショニングなどを確認した上で、再度情報を整理し、やらないことを決めて、リスタートすることになります。
そもそものコンセプトやポジショニング、ターゲティングを間違えていることも多いので、そういった場合はネットショップそのものを大幅に変更することになり、時間とコストがかかってしまいます。

わかってはいるんだけど、具体策や相談できるところがなかったお店

これは上と少し違い、何が原因なのかはわかっているんですが、その課題を解決するために誰に相談し、どのような行動を取ればいいのかがわからなかった場合です。

こちらは軽くサジェストするだけでどっと流れだすところもあれば、先の例のようにわかっているけどしがらみが多すぎて担当者レベルでは話しの持って行き用がないといったところも多くあります。

そんな場合は担当者の背中を押すようなかたちでの話し合いをすすめ、上長や社長を交えた打ち合わせ(プレゼン)をできるようにしてもらいます。

担当者レベルの話は聞かなくても、外部人間の意見は聴いてくれるところもありますから、どういったところが問題で、どうすれば解決できるのかということを具体的に提示できれば、多くの場合はそれ以降担当者レベルでもうまく動かせるようになり、何かあれば僕の名前何かを出して、打ち合わせる機会を作ってもらうことで、話を進めやすくできます。

次のステップ

先に述べたような理由からはじまり、ヒアリングする中で例えばこんなことが出てくることもあります。

  1. スタッフに関する問題
    • スタッフの離職率が高い
    • スタッフが商品のことを理解していない
  2. お客さんに関する問題
    • クレームが多い
    • ニーズを全く理解していない
  3. 商品の問題
    • 時代錯誤な商品を売ろうとしている
    • そもそもネット通販向きな商品ではない

またまたそんなことあるわけ無いと思われるかもしれませんが、事実です。

スタッフに関する問題

離職率が高いということは、社内的にいろんなトラブルを抱えていることが多いです。
そうなると、お客さんへの対応や配送などでもトラブルが発生しやすくなりますし、またそういったトラブルが発生した場合に必要以上に怒鳴りつけるなど、どちらかというとオーナー側のモラルに関わることも多く見受けられます。

こういった問題は企業の部署レベルではあまりありませんが、個人店などの場合によくあるみたいです。

離職率が高く、ドンドンスタッフが回転してしまうので、当然商品に関する知識は浅いです。

お客さんに関する問題

先のスタッフとも関連しますが、ケアレスミスの多いお店は当然クレームも多いです。
こうなると社内環境の改善になってしまい、僕の手に追える問題ではなくなってしまうので、それこそ労務に関して詳しいコンサルさんや社労士さんなんかを紹介させてもらうこともあります。

そしてニーズを把握していないというのは、物を仕入れて売ることだけ考えて、誰に何をなぜ、と言った部分がごっそり抜け落ちている人。
商品を売るタイミングなどもいい加減で、不勉強なことが多く、なぜ今それを売るのかといった質問にも答えられないことが多いです。

商品の問題

先のニーズとも関連しますが、もう完全に人気のなくなったものや、今ブームのものなど、売るにはタイミングを逸してるなと思われるものです。
今ブームだから売れるだろというのはちょっと商売を考えなおしたほうがいいのでは、と思うぐらいありえない話です。
もちろん、広告宣伝費をそれなりにかけられるのではあれば勝てる見込みもありますが、漁夫の利を狙って販売するのは博打ですから、それなりにリスクを背負ってね、といったところです。

他にもわかっているけど、(なぜか意図的に)やらないというお店や、人の話を聞かないお店、(著名なコンサルや有名ショップの店長のお話など)権威に弱いお店もよくある話です。
参考にする分には大いに参考にして頂いて構いませんが、そのまま鵜呑みにする場合や、全く信用せずそんなことわかってるといった体で進めるのも危険な徴候です。

ちなみに弊社で関わらないようにしているネットショプとしては、

  • 情報商材
  • MLM
  • 薬事法の絡むもの(サプリ、化粧品、医薬品など)
  • 競合が多すぎて、価格以外で勝負できない(する気がない)お店
  • なにしてるのかよくわからないコンサルタントが絡んでいる

といったものがあります。

これらは全く知識がありませんし、関わると面倒なことが多いのでできるだけ関わらないようにしています。
話を聞いてサジェストするぐらいであれば、最初の一回ぐらいはありますが、それ以上深くお付き合いすることはありません。

最後に

僕自身がお店でお話するのは至ってシンプルで、

  1. 情報の整理
  2. 課題を見つける
  3. やらないことを決め実行する

この3つです。

  1. 商品が売れない!
  2. せやメルマガ配信やで!
  3. 気が向いたからブログ書くで!
  4. 書いたからSNSでつぶやくで!
  5. 気が向いたからDM送るで!
  6. 気が向いたからプレスリリース配信やで!
  7. 最初に戻るで!

といったような循環でやっているお店がほとんどだと思いますが、例えばAnalyticsを確認した上で、メルマガの伸びしろがあまりない(登録者数が数百人程度でCVが0.1%など)であれば、まずはメルマガ登録数を増やすという目標が考えられます。
しかし、昨今メルマガを登録するのに必要なお客さんに求めるコストとTwitterやLINEなどを登録するコストや開封率を考えると圧倒的に後者が有利です。
現状、売上アップをメルマガからの流入にだけ設定するのはナンセンスなので、メルマガへそれ以上注力してもしかたがないと考えます。

むしろ商品を売るためにはお客さんとのタッチポイント(コミュニケーションする場所)を増やす必要がある、と考えるのであれば、ブログを積極的に更新することで検索からの流入を増やしていく方法や、SNSを利用してもっとアクティブにお客さんやフォロワーの方々と絡んでいくほうが結果としてCVは上がるはずです。

具体的に書くとすれば、例えば月商100万円、客単価5,000円、月間平均アクセス数が50,000、CVRが0.4%のお店が月商120万円にしたい場合、下記のような計算ができると思います。
差額の20万円を求めるためには=5,000円×40人が必要
この40人分を増やすには

  • アクセス数を増やす
  • CVRを増やす

という方法が考えられます。

アクセスを増やす(CVRはそのまま)場合であれば、
240人に購入してもらう為には
240人÷0.4%=60,000アクセス
ですのであと10,000アクセス増加させる必要があります。
次に、CVRを上げる(アクセス数はそのまま)場合であれば、
240人÷50,000アクセス=0.48%
ですのであと0.08%のCVR向上が必要になります。

アクセスを増やすための施策が、ブログやSNS、プレスリリース、広告、SEOなどが考えられ、CVRを上げるための方法が以前はメルマガなどを通して購入者特典を告知したり、商品そのものの付加価値向上やリニューアルなどが中心でしたが、現在はLINEなどを使ってタイムリーな情報を届けたり、クーポンを提供するほうがより効果的ですね。

理想は両方から同時に進めることで、新規顧客のアクセスを稼ぎながら、既存顧客のCVRを向上させることになります。

ある程度の売上が望めるようになるまではCVRよりも母数であるアクセスを増やす方に注力するほうが効果は高いと考えています。

また比較的高齢者が多いサイトであればネットを利用するよりもDMをワンシーズンに一度ぐらい発行するほうが、効果的になる場合もあります。

今風にかけば「KGIが前年比110%と設定した場合、KPIはサイトの顧客特性にあわせて最適化する必要がある。」ということですかね。
ちょっと三文字略語を使ってみたかったので、交えながらまとめてみました。

他にも売れない理由というのはありますので、後日またご紹介したいと思います。

See You!!