介護/福祉の現場におけるIoT化と外国人技能実習制度

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今年の夏から大阪市都市型産業振興センター OKJP事務局さん主催の「介護保険外サービス研究会」というものに参加させてもらっています。

ここでは業種を問わず「介護保険外サービス」といったものに興味のある方や企業さんが参加されて、色々と情報交換やセミナー講師として最新の情報をお話してくださいます。

昨日の研究会の中で気になったポイントを幾つか、簡単にまとめてみたいと思います。

研究会以外の場所ではお話できないこともありますので、ザクッとした感じですが。

これからの介護/福祉の現場

やはり人手不足は相変わらずなようで、今現在ここを補っているのは

  • やりがいを求めるため働くリタイア組、主婦など
  • 外国人技能実習制度を利用しいる実習生など

が中心になるそうです。

もちろん若い方も頑張って働いておられますが、給与や将来性などを鑑み、退職、転職、独立などなかなか定住は難しいようですね。

さらに、一番の問題はIT化されずに放置されたままの、非効率的な現場ということもあるそうです。

もちろんすべての現場がそうであるとはいい切れませんが、デイサービスなどを利用される場合、利用者さんのカルテは各サービス提供者毎に紙で管理している場合が多いため、利用者が異なるサービスを利用する場合はその引き継ぎができません。

また位置情報、身体情報を利用したサービスやロボットの導入などにも批判的で、そういったものを利用することで時間外の管理業務が増えてしまうのが面倒だ、といった声も一部の現場ではあるそうです。

外国人実習生なども、どうしても言葉や週間の違いからくる違和感などで、高齢者の一部や同じスタッフ間での問題や給料の問題があり、実習生が期間を全うせず帰国するケースも珍しくないとか。

ちなみにいま来日している実習生の多くは、医療系の仕事に携わっている、もしくはその卵といった方が多いので、本国ではそれなりの身分と所得が保証されている方がほとんどだそうです。
はっきりいえば、日本のスタッフよりも医学的知識に長けている方が多いはずなので、言葉のちょっとした問題を除けば余程安心して任せられるのでは、といった意見もありました。

ただし、これは今までの話であって、今後はそういった医療系の方ではなく、一般の方(日本に憧れをもつ若者など)が従事するようになるそうです。

外国人技能実習制度についてはこちら

個人情報保護法の改正と介護/福祉の現場

個人情報保護法が大きく改正され、今年(2017年)の5月30日に施行されました。

この中でも重要なのが、こちら「匿名加工情報」のについてです。

にわかりやすく書いてあるので、引用します。

今回は、個人情報保護法の改正点のひとつである匿名加工情報について概観します。
匿名加工情報の新設は、個人情報が利活用されることを目的とし、これまでの個人情報には許されなかった取り扱いが許される場合もあるため、ビッグデータビジネスを行う事業者においては非常に重要な改正点になります。また、匿名化した情報を取り扱っている事業者にとっては新たな義務が付加される場合もありますので、把握しておく必要があります。

これがどう福祉や介護とつながるのかというと、例えば全ての介護施設やクリニックなどを利用している利用者さんの生体情報(健康、食習慣、運動量、生活環境)などから分析し、さらなる病気の悪化を防ぐ、もしくは未然に防ぐ(予兆を発見する)といったこと。

スタッフの日常導線や仕事のタスク配分など、スマートウォッチなどを通して、どういった傾向にあるスタッフがどういった業務に適しているかなど、定着率と業務内容の改善といったものに利用されていくことになります。

すべて、IoT化が前提の話ですが、匿名化された状態であれば利用できる(付帯条件はあると思いますが)ということなので、IT系の企業は参入しやすいのではないでしょうか。

実際NTTなどもGPSを利用した「かんたん位置情報サービス」を提供していますし、

メルセデス・ベンツなども、人の動き(呼吸や目の動きなど)を検知、位置情報や周辺の状況なども含めてビッグデータとして集め始めているそうです。

今後、こういったものはすべての分野に応用されていくことでしょう。

まとめ

2回参加して、正直なところ自分自身どういった方向へ進めていけばいいのか、ちょっとわからなくなってきたところもあります。

自分が作りたいのは消費されるサービスではなく、その土台、仕組みづくりであるということはわかったのですが、なにから手を付けていけばいいのやら。

来月が3回目となりますが、最終回なので、また色々考えてみたいと思います。

また、こういったサービスへ乗り出そうとする人にとって、一難のライバルは団塊世代のボランティアだそうです。

お互いうまく共存できる関係が望ましいですが、お金を払う側にとっては「無料」ほど嬉しいものはありませんし、多少の瑕疵があっても無料なら仕方ないと目をつぶるでしょう。

そして一番の問題は、大阪ではこのようなサービスは一番普及しにくいということ。

単純に銭勘定に厳しいということなんですが、なかなか大変な課題な気がします。。