写真は事業者さんであれば一度は訪れたい場所、伏見稲荷で購入した御札です。
1年に1回買い換えるのですが、こんなに綺麗なものでも1年経つと結構焼けたような色合いになります。
写真では目線よりかなり下においてますが、実際には御札の下に白い紙を敷いて、目線より上に置くようにしました。
ところで、今回は特に初心者のかたでも、特に問い合わせの多い内容に絞って注意点をまとめてみたいと思います。
もちろん実名や相談案件そのものは出せませんのでかなりフェイク(幾つかの話をごちゃ混ぜ)が入っております。
あしからずご了承ください。
その商品、本当にネットショップで売れますか?
相談内容で多いのは手作り雑貨やアクセサリー、サプリやMLM系と思われる商品群など、個人事業主としてやってみたい方からのご相談です。
いきなり個人で始める、というよりかは旦那さんがサラリーマンで子供が小さいご家庭や、OLさんの副業的なところからといった感じでしょうか。
普段メールをかき慣れてない方もおらるようで、要件だけを伝えて具体的な内容がないままということも多いので、まずはメールにてヒアリングするところから始まります。
手作りアクセサリーのお店を始めたいAさん
そんな中で手先が器用で昔からアクセサリーを手作りしていたけど、結婚後幼稚園のバザーやママ友の間で評判だからといった理由からネットショップを始めたいという事例がありました。
お子さんも小さいので外に働きに出るのもままならず、パートも仕事内容の割には時給が低く、拘束時間の問題が。。
かといって在宅でクラウドソーシングで見つかるような仕事も得意ではない、であるならば自分の技術を活かしてということなんですね。
とはいうものの、商品としては単価も安く、内職したりパートに出るよりは稼げるかもしれないといったレベル。
ネットショップ初心者向けの本を読んでもわからないことが多く、何から手を付ければいいかわからないといったお話でした。
そこで大事なのは、安定的に商品を供給できるのか、マーケットはどうなのか、月間の売上目標はどのぐらいなのか、お店にかけるコストはどのぐらいなのかといったものです。
すぐに売り切れてしまうことはありませんが、そもそもお客さんがどこにいるのかもわからない状態でお店を始めるのは、何も考えずに釣り糸を垂らして魚を釣るようなもんで、まぐれ当たりもあるかもしれませんが、無駄のほうが多いです。
メールで話を聞くとこんな感じでした。
- 家事や育児の間にアクセサリーをせっせとつくくるけど、手作りなのでどうしても時間がかかり安定した商品を供給するとなるとちょっときつい。
- 粗利で50,000円あげようとすると、現在考えている商品単価(500円〜2,000円)ではとてもじゃないけど追いつかない。
- 似たような商品は売ってるけど、そんなに高いものでもないし、現状はママ友や学生時代の友人にプレゼントしたり、バザーで出品する程度。
- お店にかけるコストもあまり。。。
というのが現実です。
そこで僕の方から提案したのは
- ネットショップは運営するだけでコストが掛りますから、まずはネットショップ以外の方法を試すべきではないですか?
- 自分の商品を正当に評価してもらうためにも、今ならInstagramなんかを利用してマーケティングすることも非常に効果的。
- いきなりネットショップではなくても、Instagram、Twitterなどを利用して個人間でやり取りしたり、メルカリのようなものを利用するのもあり。
Aさんが選んだのは
SNSはTwitterを少しやっており、Instagramには興味があった、ということでまずはそこから始めることにしました。
ただし銀行口座だけ新しくネットバンクで作って、普段会計を管理しているものとは別口座で管理することに。
記帳する手間も省けますし、入金確認もスマホでできますからね。
商品も当初はブレスレットやネックレス、ピアスといったものも幅広く考えていましたが、小さい子供がいると引っ張られたりして壊れることも多い。
ということで、比較的作りやすく、また肌に直接触れることがない帽子にアクセントとして取り付けるブローチを中心に展開することになりました。
この当時の僕は、コンサルティングとしての仕事としては請け負っていなかったので、残念ながら(?)お金は頂いておりませんが、将来的にお店としての目処が立ちそうであればまた相談させてほしい、ということでした。
Aさんの事例から読み取る落とし穴
ネットショップの敷居が下がったとはいえ、実際に始めようとすると意外に手間がかかってしまいます。
僕がお客さんと相談する中でよく話すのが、
- 商品の需要
- マーケットの開拓
- 月間の売上目標
- 初年度、2年目、3年目の売上目標まで
- 販促ツールの作成
- お金の管理
この5つです。
むしろこれから始めたいというお客さんが失敗しがちなのがこの5つと言っても過言ではありません。
これはネットショップにかぎらず、一般的なビジネスにおいても同じことが言えると思うんですね。
商品の需要
販売しようとする商品はどのぐらいニーズがあるのか、それに対してどのぐらい市場には供給されているものなのか。
似たようなものばかりある状態であれば、他者との差別化は必要です。
Aさんのアクセサリーであれば、ネックレスやブレスレット、ブローチまでいろいろ作っておられましたが、失敗も多いということ。
ご本人も子供が小さくあまり髪の毛をきれいに整えている時間もないので、普段は後ろでまとめて帽子を被っておしまい!ということが多いので、その帽子を少しおしゃれにカスタマイズできるアクセサリーであればニーズは多いかも、ということで決められました。
マーケットの開拓
ただ自分の周りに販売するとなると、あまりお金の話をするのもやりにくい、ということで新規顧客の開拓。
そこは普段はLINEばかりだけど、TwitterとInstagramで攻めますといったことでまとまりました。
帽子を被って自撮りは大変なので、ママ友に協力してもらい、ギャラの代わりにアクセサリーをプレゼントすればいい、と。
似たような興味や趣味を持った人を中心にフォローすることで、潜在顧客に繋がるような人を集められますからね。
アクセサリー系の方はInstagramとTwitter、Blogは必須アイテムです。
ネットショップの構築はその後でも十分に間に合います。
勝てない試合に向かうのではなく、勝てる試合を継続できる環境を作るところが大事です。
月間の売上目標
月次の売上目標を考えれば、そのまま年間の売上目標は目処がつきます。
翌年以降はどのぐらいの成長率で考えるのか、あまりにも無謀すぎる数字は目標でもなんでもないので、現実的なところ+αぐらいの設定が良いと思います。
感覚としては120%〜135%程度でしょうか。
そこから粗利、営業利益、経常といったところに落とし込んでいきます。
販促ツールの作成
ネットショップで大事なのはイメージです。
写真やテキストももちろんですが、商品が届いた際にのパッケージやショップカード、止めのシールなど、ちょっとしたことでもお客さんからの評価は大きく異なります。
ロゴもお店の顔になるものですから、適当に作るのではなくデザイナーさんに依頼するか、自分で考えたものをデータとしてつかえるようにデザイナーさんと相談するなどするほうがいい場合が多いです。
その辺にある適当な袋でおくるのではなく、無地でもいいので、ちゃんとした袋や箱でおくるだけでも印象は違います。
ほんの少しの手間で、売上や評判が大きく変わるのがネットショップのいいところでもあり、怖いところでもあります。
お金の管理
家計の口座と一緒にしていると、いったいなんの入金なのかわかりにくいこともあります。
口座を開く手間はかかりますが、できれば個人で構いませんので別口座を開くべきです。
個人事業主として開設する場合であれば、開業届なども必要なので、必要な諸届けは済ませておきましょう。
旦那さんの扶養に入っている場合は、いろいろありますからね。
最後に
結局ネットショップを始めたい、というお客さん(特に個人さん)の多くは、今の家計に少しプラスできる程度の売上で、在宅でも可能なお仕事といった内容がほとんどです。
実際今は有名になったようなネットショップでも、最初はそんなレベルだった、という所も多いですからね。
最終的には継続することができるか否かにかかってきます。
そのためにはまずゆっくり初めて、自分の評価やマーケットをしっかりと確認しながら、顧客を増やし、少しずつ色んな意見を取り入れて成長させる、というのは時間がかかりますが一番の方法です。
そのうち子供の手が離れるようになれば、もっと凝った商品を用意できるようにもなりますし、卸販売などもできますからね。
すべての人がAさんのようなパターンではありませんが、先に上げた5つのポイントははじめに考えるべきところです。
うちはこういった感じでスローペースなお店作りを勧めているので、せっかちなお客さんからは敬遠されてしまいがちですが、それでいいと思っています。
消費が早ければ廃れるのも早いですからね。
スロースターターでも継続できれば、次の戦略も考えられます。
5年、10年続くお店作りを一緒にお手伝いいたします。