ネットショップは地の利を活かすことで新たな販促につながる〜ネットショップの運営と集客〜

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shokki

写真はうちがオープンさせるネットショップで取り扱う予定の器。
まだまだ準備中ですが、少しずつ進めています。
これは大阪は堺の方で作っているものですが、できるだけ大阪にこだわった器や雑貨、アクセサリーを扱いたいと考えています。

ネットショップだから地域は関係ないという固定概念

多くのお客さんと話をする中で、こういった考えの方は以外に多いです。
「私たちは実店舗じゃないからネットショップに地域性なんて、食べ物でもなければ関係ないでしょ?」って。
でもね、違うんですよ。

同じ商品を売る時に、そのお店がある地域の歴史的な背景や文化というものをブログやネットショップで語っているお店と、ただ並べているだけのお店ではあきらかに前者のほうがお客さんの支持を得られます。
確かに商圏としての地域性は存在しないかもしれませんが、お店のアイデンティティとしての地域性は重要です。
たとえ遠方のお客さんにとってどうでもいい地域のお祭ごとなんかでも、お店のブログに掲載することでお店としての人間性のようなものを感じ取ることができます。
歴史的な建造物やイベントがあるならそういったものを絡めながらブログに掲載したりキャンペーンをうつこともできますよね。
同じ商品を扱ってるお店であれば、自分と同じアイデンティティがあるお店で買いたいと思いませんか?

自分にとって全く関係がないと思えることでも、なにか1つポイントをみつけると商品を販売する効果的なコピーに変わることだってあるんです。

観葉植物と百人一首

お客さんにお花屋さんがいるんですが、場所は滋賀県。
ただリニューアルをしてきれいなお店にして、定期的なキャンペーンをうつだけでは集客にも売上にもつながりませんが、ここで注目したのは滋賀県という地の利。
滋賀県にある近江神宮では毎年「全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」「かるた名人位・クイーン位決定戦」というような大きな大会が開催されます。
そこで、ブログや商品紹介をただ書くだけではなく、草花や庭について歌っているような和歌を添えてみるのはどうでしょうか?と提案してみたところ、若干ですがアクセスやコンバージョンに変化が出てきました。

和歌からイメージされる草花をブログに掲載したり、商品紹介記事の中に掲載してみることで、より花の持つイメージが広がるということだそうです。
少し特殊なお花を販売されているので、こういった提案が出来ましたが、お花と全く関係なさそうなことでも、こうやってつないでいくことができます。

人は歴史的・文化的背景のある商品に惹かれる

また、別のお客さんのお店では服を扱っていますが、ただネットショップで単一ブランドのお店を展開するだけでは売上の上限なんてしれています。
その店の場合は日本古来の素材や染、衣服といったものに今のテキスタイルデザインをあわせることで大変評価されています。
ただ可愛いテキスタイルだからというのではなく、やはりそこには「日本にこんなカッコイイ、可愛い服があったんだ」という歴史的な背景です。
その歴史をしっかりと理解し、本気で取り組んでいるので非常にクオリティの高いものを提供できるわけですが、あとから出てきた二匹目、三匹目のどじょうを狙ったところは、かたちだけを真似してそれっぽいものを作っただけなので、当然ダメでした。

自分たちのお店はこうじゃなければ、こうあるべきといったプライド

こういった考えに縛られてしまうのは非常にもったいないし、ただの勉強不足、もっといえば全くお客さんを見ていない自分たちのことしか考えていないお店です。
いい素材、いい作り方をした商品をもっていても誰にも相手にされなければ売れません。
僕がお店の方とお話するときに伝えるのは、カッコ悪いとか自分達はそうじゃないとか、わけの分からないプライドを持つべきではないということです。

まずはお客さんに楽しんでもらえるものを自分たちが提供できているのか、そのために自分たちができることはやっているのか。
殆どの場合は時間がない、人がいない、それはうちっぽくないといった理由でやっていません。

商品を売りたい売りたいとだけ言って焦っているお店に魅力がありますか?
自分のことしか話さない人と会話して楽しいですか?

恰好ばかりを気にして何も行動できないお店ほど無残なものはありません。
そんなことを気にするのは市場に評価されて初めて考えるべきことです。

GAの数字にばかりこだわらない

セッションやPVなんかは気にした方がいいのですが、コンバージョン率を気にしすぎてもしかたありません。
母数が少ないのにコンバージョンを上げる施策を考えるよりも、まずは流入を増やすための施策を考え、実行すべきです。
そのための地の利を活かしたブログ記事や商品紹介、キャンペーンのタイミングなのです。

例えばうちでお客さんに話すキャンペーンのタイムラインとして次の3つがあります。

  1. 日本の行事や節気に合わせたキャンペーン
  2. 地域のお祭り事に合わせたキャンペーン
  3. 上記2つに関係なくお客さんを巻き込めるキャンペーン

これらをタイミングを考えて組み合わせることで、ネットショップ上では常に何かイベントを開催できますし、ひと気や活気に繋がります。

売上を出すことが一番重要ですが、まずは流入を増やす。

そのためには自分たちは「だれに」「なにを」「なぜ」提供するのかといった根底になる考えをしっかりと見つめなおす必要があります。

最後に

おもしろくなければ誰も見てくれませんし、評価もしません。
ネットショップに「おもしろい」なんてものは必要ないと思われますが、それは頭が硬い証拠です。
僕のいうおもしろいは馬鹿げたことやバラエティ番組的なものではなく、古語でいうところの「をかし」に近いものです。
クソ真面目にお店を作って売上が伸びるのであれば、それほど単純で簡単なことはありません。

日本人は言葉として残ってはいなくても、感覚として古の人たちの心は残っているようです。
そういった感性を大事にしながら、お店の商品やお客さんと接していきたいものですね。