モノより思い出や体験が大事だということ その2

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随分前に話題になった動画ですが、いま見てもくるものがありますね。
モノを売ることも大事ですが、それによって得られる体験がどういったものなのか、具体的に説明された良い例だと思います。

そしてビデオカメラを買う人がどのような人達で、今後どのような人生を歩むのか、といったところまでを上手くストーリーにされています。
価格帯も機能的にもそれほどさがないものばかりのビデオカメラですが、このCMがあればどうしても心に残ります。

モノを売る時代から体験、コミュニケーションの時代へ その2

前回の記事でお話したデザイナーさんが参加されていたあるプロジェクトの核となるお店、そこのホームページを作って欲しいと依頼されました。
この時ネットショップは、僕自身初めての経験でしたが、お客さんも初めてで、お互い初めて同士でデザイン含めいろいろ試行錯誤していたと思います。
当時は今のように低コストで利用できるサービスはなく、楽天などで出店するか、自分たちでフリーのCGIを用いて運用するかといった時代でした。

この時にお客さんへ提案したのは先のデザイナーさんのホームページ制作で得た経験です。
お客さんとのコミュニケーションを図るホームページとネットショップ作り、それがコンセプトでした。
当時はお客さまレビューなどへの取り組みや、ネットをお通じたお客さまとのコミュニケーションはどこのお店もそれほどしっかりと行われているとはいえず、まだまだ伸びしろのあるところで、手探り状態でした。
むしろ多くのお店はネットを使って販売しているのに、ネットのネガティブな面だけを見て、積極的にコミュニケーションを取ることに及び腰だったように思います。

ホームページとネットショップはほぼ同じデザインで、色やコンテンツが少しだけ違うものにしたことで、どちらのサイトを見ても操作に迷うことがない、というものにしました。
これはコスト面で余裕がなかったための苦肉の策ですが、結果としてお客さまが迷うことがなく、正確には測っていないのですが、コンバージョンも悪くはなかったはずです。
またブランディングとしても統一されたイメージ、世界観で結果オーライでしたね。

そして何より掲示板によるやりとりは、当時商品レビューといったものに対する価値が希薄だった中、ネットショップや実店舗で購入されたお客さまからの声がどんどん掲示板にアップされ、それを見たお客様がまた購入、掲示板へといういい流れが作れました。

また実店舗へ訪れたお客さまと掲示板でやりとりしたことのあるスタッフが気さくに話をできたり、掲示板でフォローアップできたりと、お店だけではなく、スタッフのパーソナリティも活かされた良い循環になっていたと思いますし、Blog形式になった今でもそれは受け継がれているようです。

このあたりはスタッフの皆さんが若く、またネットに対するリテラシーの高さもあり、それががうまく絡み合うことで非常に(当時としては)高度なレベルで成功に導けたのだと思います。

ただモノを売るだけではなく、コミュニケーションを通してのファンづくりがお客さまに愛される店作りになり、それをまたお客さまへフィードバックする。
もちろん商品が素晴らしいことはいうまでもありませんが、そこで感じる人間的なやりとりがお客さまにとって商品以上の価値観につながったのだと思います。
だからこそ、多くのお客さまに評価される素晴らしいお店として今でも高い評価を得ています。

コミュニケーションは一方向でもかまわない

ネットでのコミュニケーションといえば、どうしてもSNSなどを用いた双方向なものとというイメージが強くありますが、なれていない方にとっては非常に難しいと思います。
そのため僕自身は、このブログでもそうですが、特にコメント欄を開放するなどのことはしていません。
理由は結果として誰かの心に響けばいいか、という感じでやっているので、必ずしも双方向である必要は無いだろう、ということです。

このブログを見て何か響く人がいれば、メールなり電話なりで連絡頂けます。
そこからコミュニケーションは始まりますから、必ずしもネット上で全てを完結する必要はない、ということになるんですね。

そのかわり、掲載する内容はしっかりと責任を持つ必要があります。

ネット上での双方向のやりとりは、やはりそれなりに高度なスキルが必要ですから、余裕が生まれてからでもいいと思っています。

伝えることがコミュニケーションの第一歩

この記事でも書いたように、僕はネットショップ(可能であればホームページ)を始めるお客さんには、オープンの3ヶ月ほど前からブログを書く、ということをおすすめしています。
理由は単純で、自分たちの思いをブログを通して伝えていくという、ただそれだけのためです。

3ヶ月みっちりブログを書くことで、自分たちの思いを自分たちの手を通して伝えることができるようになります。
初めは、それこそつたない文章かもしれませんが、続けることで必ずファンはできますし、伝わる文章になっていきます。

そして、伝えることがコミュニケーションになっていくのです。

最後に

人は自分が体験したいい思い出は忘れにくいですし、そして多くの人に話したがります。
逆に悪い思い出もすぐに広まってしまいます。
同じ広めるのであれば、商品を売ることだけではなく、その商品によって与えられる価値をしっかり伝えるべきではないでしょうか。

ただかっこいい、美しい、美味しい、機能的というだけでは商品は売れません。
その商品やお店がもたらしてくれるストーリーや体験に人は感動し、また購入し、伝えるということなんだと思います。

これらは当たり前のことなんですが、数字でしか判断できない今のやり方で、数字に現れにくいものをどう評価していくのか、これは多くの企業やお店にとって重要な課題だと思います。

それはスタッフやお店のちょっとした気遣いや心配りが、お客さまに評価され、それがお店全体の評価につながっていくのだと思います。

ネットショップにかぎらず、普段の生活の中でも同じことだと思います。
自分のことばかりをアピールするのではなく、人の話を聞いて誠実に対応する、ということが仕事をする上でももっとも重要なとこだと考えています。